メンタルクリニックに行くことになったきっかけは、妻の言葉でした。
最近、様子がおかしいと思う。そう言われたのを覚えています。
当時の自分は、しんどいとは思っていたものの、まさか病院に行く話になるとは思っていませんでした。仕事がつらいのは事実でしたが、それを「病気」と結びつけて考える感覚は、まだほとんどありませんでした。
それでも、妻に言われたことは、自分の中に少し残りました。
仕事の相談や愚痴が増えていたこと、もともとは家で仕事の話をあまりしなかったこと。以前はできていたことが、できなくなっていること。自分では見えていなかった変化を、先に妻が見ていたのだと思います。
目次
以前できていたことが、少しずつできなくなっていた
今振り返ると、たしかにおかしいところはいくつもありました。
分かりやすかったのは、料理のような少し同時進行が入ることがしんどくなっていたことです。
以前なら普通にできていたのに、何をどう進めればいいのか頭がまとまらなくなる感じがありました。飲食店のメニューを見ても、なかなか決められなくなっていたのも覚えています。
休日の過ごし方も変わっていました。
もともとあまりゲームをするほうではなかったのに、その頃はスマホゲームばかりしていました。楽しいというより、それしかできないような感じだったのだと思います。
お風呂に入るのもしんどくなっていました。
床で寝てしまって、朝起きてからようやくシャワーを浴びる。そんなことが週に何度も起こるようになっていました。
そのときは一つひとつを別のことのように思っていましたが、今見ると、ちゃんとつながっていたのだと思います。
ただ逃げたいだけではないかと思っていた
それでも、病院に行くことにはかなり抵抗がありました。
本当は、ただ仕事をさぼりたいだけではないか。
逃げたいだけではないか。
そんなふうに思っていました。
まさか自分が病気だとは思っていなかったですし、仕事を途中で投げ出すことにも抵抗がありました。
人に迷惑をかけたくない気持ちもありましたし、周りに何か言われるのも嫌でした。噂されたくない、という気持ちもありました。
上司に相談することも、当時の自分にはかなりハードルが高かったです。
何をどう話せばいいのか分からないし、そもそも自分でもまだ整理できていませんでした。
予約の電話をするまでにも時間がかかった
病院に行こうと決めてから、すぐに動けたわけでもありませんでした。
実際には、電話をする決意をするまでに数週間かかりました。
自分の勘違いかもしれない、考えすぎかもしれない、そこまで大げさにしなくてもいいのではないか。そんな気持ちが何度も出てきて、先に進めませんでした。
ようやく電話をかけてみても、すぐ受診できるわけではありませんでした。
複数のところに連絡しましたが、数週間先とか、数か月先の予約になると言われました。
それだけでも少し気持ちが折れそうでしたが、予約の電話口の人はどこも思っていたより丁寧でした。
特に、こちらから全部うまく説明できなくても、「何に困っているのか」を向こうから少しずつ聞き出してくれたのは助かりました。
あのときは、それだけでも少し安心したのを覚えています。
行った日は、就活の面談みたいに緊張していた
初めて行った日は、かなり緊張していました。
感覚としては、就活の面談に行くときに近かったです。
ちゃんと話せるだろうか、変に思われないだろうか、うまく伝わらなかったらどうしよう。そういう不安が強かったです。
一人で行くのも不安で、妻に付き添ってもらいました。
そのことには今も感謝しています。
当日は、思考が霞んでしまって、口頭だけでうまく話せる気がしませんでした。
なので、症状や困っていることをメモにまとめて持っていって、先生に渡しました。
感覚的なしんどさも話しましたが、中心にしたのは「以前できていたことができなくなった」ということでした。
料理のようなマルチタスクが難しくなったこと、メニューが決められなくなったこと、友人に会うのが苦しくなったこと。そういう話をしたと思います。
その場で休む決断はできなかった
診察では、自分の症状や不安に思っていることを話しました。
仕事のことで悩んでいることや、何が不安なのかも伝えました。妻から様子がおかしいと言われたことも、そのまま話しました。
話を聞く限りでは適応障害だと言われましたが、結果としては、うつ状態との診断でした。
その場で診断書は作れると言われました。
でも、自分はその時点では休む決断ができませんでした。
休んだほうがいいのかもしれないと思いながらも、まだそこまでしていいのかという気持ちが強くて、いったん保留にしました。
結局、2週間後にもう一度受診することになりました。
今思えば、その時点でかなり限界に近かったのだと思います。
それでも、休むと決めるのは簡単ではありませんでした。
もっと早く行けばよかったとは思う
今なら、もっと早く行けばよかったとは思います。
ただ、あのときは病院に行くこと自体にかなり怖さがありました。
行ったら何かが変わってしまう気がしていましたし、自分の状態に名前がついてしまうことへの不安もありました。
だから、ただ「もっと早く行けばよかった」で終わる感じでもありません。
あのときの自分には、病院に行くこと自体がかなり大きなことでした。
それでも、妻のあの一言がなければ、もっと遅れていたと思います。
今振り返ると、もう少し遅かったら危なかったかもしれない、という感覚があります。
休むと決めるまでには、もう少し時間がかかった
診断書はその場で保留にしましたが、その後の2週間のあいだに、自分の中で少しずつ決意することになりました。
その話は、また別の記事で書こうと思います。
病院に行くことを決めるまでにも時間がかかりましたが、休むと決めるまでも、やはり簡単ではありませんでした。
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休職に入ったあとに感じたことは、こちらにも書いています。



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